エアブラシとは、 圧縮した空気などの圧力によって塗料を霧状に噴射して吹き付ける塗装工具、および、それらの塗装工具を用いて描画や着色を行う技法のことです。 カーモデルなどの広範囲をキレイに塗装するには、エアブラシでの塗装が適しています。
エアブラシ以外のスプレー塗装として代表的な缶スプレーは、手軽に扱えますが販売されている色が限られてしまいますし、ひとつのキットでは一缶使い切らないことが多いので不経済です。
初期投資は必要ですが、プラモ製作を趣味として長く続けるならエアブラシの導入をお勧めします。調色してオリジナル色を塗装したり、ぼかし、微妙な陰影など多種多様な表現が可能になるなど自由度が広がります!
最近では、エアブラシ塗装に必要な工具・器具がセットになった商品の登場や低価格化のおかげで、数万円あればハンドピースやコンプレッサーをはじめ必要な工具を揃えることが可能で、昔と比較して格段に購入しやすくなっています。
【GSIクレオス】 Mr.リニアコンプレッサーL5/プラチナ/レギュレーターセット PS305
【タミヤ】 タミヤ スプレーワーク ベーシックコンプレッサーセット(エアーブラシ付) 74520
【ホビーサーチ】 エアブラシセット 各メーカー取り扱い多数
ハンドピース
エアブラシによる塗装は、ハンドピースとコンプレッサーを使って塗装の対象物に塗料を霧状に噴射して吹き付けます。ハンドピースは、その機構によって3つに分類されます。それぞれメリット・デメリットがありますので、キットの種類や塗装対象の大きさや広さによって使い分けると良いでしょう。
ボタン式シングルアクション
ボタンを押すだけで、エアーの吐出と塗料の噴射が同時に行われます。本体後方にある調整ダイアルで、塗料の流量を調整することが出来ます。
エアの吐出量をボタンの押し込み加減で調整することは困難で、エア圧の強弱を調整しながらの吹きつけや、吹き付け作業中の塗料の流量調整はほぼ不可能ですが、広範囲への一定量の吹き付けに適しています。
【GSIクレオス】プロコンBOY SAe シングルアクションタイプ 0.3mmノズル PS265
ボタン式ダブルアクション
ボタンを押すとエアーだけが吐出し、押したまま手前に操作すると塗料が噴射します。2段階の操作を行うため、慣れるまで時間がかかることがあります。ボタンの前後操作によりニードル開度を調整することで塗料の噴出量を変化させることが出来るので、ぼかしやグラデーションなど多彩な吹きつけ塗装が可能です。また、ニードルアジャスターでニードルの最大開度を制限することで、吹き幅を狭くしたり、吹き過ぎを防ぐことも可能です。
【GSIクレオス】プロコンBOY WAプラチナ Ver.2 ダブルアクションタイプ 0.3mmノズル PS289
トリガー式ダブルアクション
トリガーを引くことで塗料を吹き付けることが出来ます。操作は2段階で、1段階目まで引くとエアーが吐出し、2段階目まで引くと塗料が噴射します。
ボタン式との違いは、ニードルアジャスターでニードル開度を制限すると、エアー圧も同時に制限されてしまい、塗料の流量だけを調整できないところです。トリガーを引くだけの簡単操作なので、広範囲の塗装や長時間の作業に適しています。
【GSIクレオス】プロコンBOY WA トリガーダブルアクションタイプ PS275
エアブラシを初めて購入する場合は、ボタン式ダブルアクションタイプのハンドピースをお薦めします。
シングルアクションタイプのほうが操作は簡単ですが、慣れてしまえばダブルアクションタイプも難易度は高くありません。 また、細部から広範囲にわたり塗装でき、ぼかしやグラデーションなど多彩な表現に適していますので、オールマイティに塗装が楽しめます!
【GSIクレオス】 プロコンBOY シリーズ
【タミヤ】 スプレーワーク エアブラシ
【ホビーサーチ】 ハンドピース 各メーカー取り扱い多数
メモ
★ハンドピースのノズル口径★
ハンドピースを選ぶときに、機構の違いとあわせてノズルの口径を考慮しなくてはいけません。カーモデル、AFV、ガンプラなどキットの種類やスケールの違いによって選択肢が変わってきます。
はじめて購入する場合は、ノズル口径0.3mmのボタン式ダブルアクションのハンドピースがお薦めです。コレひとつで細部から面積の広いカーモデルのボディまでオールマイティに塗装が可能です。
1/8や1/12のカーモデルなど、より大きなパーツを塗装する場合には、ノズル口径0.5mmのハンドピースがあると便利です。
簡易式・入門用
“ニードルレス”や“吸い上げ式”などいわゆる簡易式と呼ばれ、ハンドピース本体とエアー缶のセットで数千円で販売されています。
その価格ゆえに「入門用」とされていますが、エア圧が低いとノズルが詰まりやすく塗料の流量調整もできないため、安定した噴霧は困難で、こちらの方が難易度が高いことも。また、エアー缶での作業はエア圧の低下が避けられず、広範囲への塗装には不向きで、過度の期待は禁物です。
【SGIクレオス】 プロスプレー
【タミヤ】 スプレーワーク シングルエアーブラシ
コンプレッサー
コンプレッサーは空気を圧縮する装置で、圧縮した空気を吐き出すときの圧力を利用して塗装を噴射します。
プラモデル塗装用のコンプレッサーを選ぶときのポイントは、定格/最高圧力、静粛性、耐久性が挙げられます。さらに、吐出空気量や寸法なども気になるところです。また、住環境によっては選択できるコンプレッサーが限られてしまうこともあるので注意が必要です。
最高圧力:0.26MPa / 定格圧力:未公表
空気吐出量(毎分):17リットル
定格使用時間:15分
作動音量:約40dB
【wave】ウェーブ コンプレッサー 217 (単品)
最高圧力:0.4MPa / 連続使用圧力:0.22MPa
空気吐出量(毎分):17リットル
定格使用時間:30分
作動音:約46dB
【wave】ウェーブ コンプレッサー 317 (単品)
最高圧力:0.12MPa / 定格圧力:0.1MPa
空気吐出量(毎分):5.27リットル
定格時間:連続
作動音:50db
【GSIクレオス】L5/プラチナ/レギュレーターセット PS305 / L5/圧力計付レギュレーターセット PS313
最高圧力:0.15MPa / 定格圧力:0.1MPa
空気吐出量(毎分):7リットル
定格時間:連続
作動音:55db(無負荷時)
【GSIクレオス】L7/ レギュレーター/プラチナセット PS309 / L7/圧力計付レギュレーターセット PS307
最大圧力:0.11MPa / 定格圧力:
空気吐出量(毎分):20リットル
定格時間:N/A
作動音:56db
【タミヤ】スプレーワーク HG コンプレッサー レボII (HGエアーブラシIII付)
エアー缶
エアー缶の特徴は、コンプレッサーのような作動音が発生しないこと、電気が必要ないこと、そして圧力が高いことです。
新品の状態で4.0Mpa程度ありますので、ウレタンクリアなど粘度が高い塗料を吹くのに適しています。ただし、連続して使用によるエア圧の低下が避けられないため長時間の使用には適していませんが、用途に応じて複数本で使用したり、コンプレッサーと併用することで有用なツールとなります。
【GSIクレオス】 Mr.エアースーパー
【タミヤ】 スプレーワーク エアーカン