塗料とは、塗装の対象物を保護・装飾・機能付加するためのものでそれぞれの役割の例としては
・保護:防汚、防錆、紫外線防止
・装飾:美観、色彩、光沢、蛍光
・機能付加:導電、耐火、撥水、遮熱
などが挙げられます。

プラモデルの世界では、プラモデル用塗料を「ラッカー系、アクリル系、エナメル系」と分類することが一般的ですが、その塗料のほとんどは「合成樹脂塗料」であり、塗膜中の溶剤が蒸発して塗膜が硬化する“揮発乾燥型”という共通点を持っています。そして、その塗膜を形成する成分はアクリル樹脂です。同じアクリル樹脂塗料でも、乾燥・硬化の種類や溶剤の違いによってアクリルラッカーや水性アクリル、エナメルなど様々な種類に分類されます。
ただし、上級者やプロモデラーがクリアコートに使用する「ウレタン塗料」は、合成樹脂塗料ですがアクリル樹脂塗料とは異なり、主剤と硬化剤の2液が反応(重合)して分子結合を緻密につくり硬化する“重合乾燥型”の塗料です。

プラモデル用塗料

プラモデル用塗料は、一般的に通称「ラッカー系、アクリル系、エナメル系」と分類されそれぞれ溶剤が異なります。それぞれの塗料の特徴について、解説します。なお、記載している製品は、主に入手しやすい国内メーカーのものです。

ラッカー系塗料

プラモデル用塗料の中では最も乾燥が早く、乾燥後の塗膜が固く強いのが特徴です。溶解力が強く、アクリル・エナメル系塗料への重ね塗りには不向きです。希釈、用具洗浄には専用の有機溶剤が必要になります。有機溶剤は臭気がきつく中毒性があるので、十分な換気が求められるとともに防毒マスクや手袋の使用しての塗装作業が推奨されます。
※自動車用やDIY用のラッカー塗料は、プラモデル用と異なりプラスチックそのものを溶解する場合があります。
【GSIクレオス】 Mr.カラー
【Finisher’s】 Finisher’s collar
【ガイアノーツ】 ガイアカラーシリーズ


アクリル系塗料

乾燥スピード、塗膜の固さ、塗装の食いつき、いずれもラッカー系に劣ります。とくに、カーモデルなどクリア塗装後の研ぎ出しなどツヤ出しには不向きです。有機溶剤の含有量が少ないため、体への影響も小さくラッカー系と比較して安全性が高いと言われています。また、水溶性のため塗料が乾燥していなければ用具を水で洗浄することができ取扱が容易です。ただし、乾燥後の用具洗浄や一部製品の希釈には専用の有機溶剤を使用しますので、換気に注意する必要があります。
【タミヤ】 アクリルカラー
【GSIクレオス】 水性ホビーカラー


エナメル系塗料

塗料の伸びが良く、筆塗りの際の筆ムラが最も出にくい塗料です。また、顔料の粒子が細かく、特にメタリック系は発色が良く独特のツヤが出ます。ただし、乾燥に時間がかかり、塗膜も弱いためカーモデルのボディなど広範囲への塗装には不向きです。ラッカー・アクリル系塗料へ侵食しないので、スミ入れやウォッシングといったウェザリング塗装に適しています。希釈や用具洗浄には専用の有機溶剤を使用します。また、溶剤はプラスチックに浸透すると、プラスチックが脆くなったり割れたりするので注意が必要です。
【タミヤ】 エナメルカラー

塗料の重ね塗り

塗料を重ね塗りする際、特に筆塗りの場合に塗料の性質により下地の塗料を侵食しトラブルになることがありますので、塗料の性質を良く理解しておきましょう。

collar◎・・・問題なく重ね塗り可
○・・・重ね塗り可
△・・・注意が必要だが重ね塗り可
×・・・重ね塗り不可
重ね塗りが必要な場合は、ラッカー系 → アクリル系 → エナメル系の順序に塗装すると侵食によるトラブルが起きにくいです。
ただし、エアブラシであれば、下地の塗料が完全に乾燥している状態かつ、ハンドピースを離し気味にして下地に侵食しないよう薄く吹き付ける作業を繰り返すことで、上塗りの塗料がラッカー系の場合でも重ね塗りすることは可能です。